はじめに
こんにちは。行政書士の樽見です。
令和7年度「新事業進出補助金」の第2回公募が正式に発表されました。これまで「事業再構築補助金」などで新分野への挑戦を検討していた中小企業・小規模事業者にとって、またとない機会です。この記事では、この補助金制度の概要を丁寧に解説し、特に「補助額・補助率・対象者・使える経費」にフォーカスしてお伝えします。
新事業進出補助金とは?
この制度は、既存の事業とは異なる、新市場または高付加価値分野への進出を目指す中小企業等を支援するための補助金です。
製品やサービス、販路、技術などの面で新しい挑戦をする際の設備投資や専門家の支援、広告宣伝などの経費を補助し、企業の成長・拡大を促します。
スケジュール(第2回公募)
- 公募開始日:令和7年9月12日(金)
- 申請受付開始:令和7年11月10日(月)
- 応募締切:令和7年12月19日(金)18:00まで
- 採択発表:令和8年3月頃予定
補助対象者と応募要件
この補助金に応募できるのは、以下の条件を満たす中小企業・小規模事業者です。
- 日本国内に事業所を有している
- 既存事業とは異なる事業に取り組む「新事業進出要件」を満たすこと
- 付加価値額(または従業員1人あたり付加価値額)が、補助事業終了後3〜5年間で年平均4.0%以上増加する見込みであること
- 賃上げ要件:給与支給総額または一人あたり給与の年平均成長率が一定基準を超えること
- 事業場内最低賃金が都道府県の地域別最低賃金より30円以上高い水準であること
- 「一般事業主行動計画」を策定・公表していること(ワークライフバランス要件)
補助額と補助率の内訳
従業員数に応じて補助上限額が設定されており、一定の賃上げ要件を満たすとさらに上限が引き上げられます。補助率は一律で1/2です。
| 従業員数規模 | 補助下限額 | 補助上限額(通常) | 補助上限額(賃上げ特例) |
|---|---|---|---|
| 20人以下 | 750万円 | 2,500万円 | 3,000万円 |
| 21〜50人 | 750万円 | 4,000万円 | 5,000万円 |
| 51〜100人 | 750万円 | 5,500万円 | 7,000万円 |
| 101人以上 | 750万円 | 7,000万円 | 9,000万円 |
補助対象となる経費
補助金で認められている経費は幅広く、新規事業に必要な多くの投資をカバーできます。
- 機械装置・システム構築費
- 建物費(構築物を含む)
- 運搬費
- 技術導入費
- 知的財産権関連経費
- 外注費(加工・設計など)
- 専門家経費(コンサルタント・士業等)
- クラウドサービス利用費
- 広告宣伝・販売促進費
注意点
- 「機械装置・システム構築費」または「建物費」のいずれかを必ず含める必要があります。
- 外注費や専門家経費、広告宣伝費などには上限割合の制約があるため、計画段階からバランスに注意しましょう。
まとめ
「新事業進出補助金」は、中小企業が新たな挑戦をする際に非常に心強い制度です。特に、設備投資や販促を伴う新規事業の立ち上げを検討している企業には大きなメリットがあります。
今からできる準備としては、
- 自社の従業員規模を確認し、上限額を把握する
- 必須経費(機械装置・建物費)を含めた投資計画を立てる
- 賃上げ・付加価値向上の数値目標を設定する
- 必要書類や見積書を早めに準備する
- GビズIDプライムアカウントを取得しておく
次回の記事では「応募資格の詳細と審査項目」について、より具体的に解説していきます。
補助金申請をご検討の方へ
補助金申請は書類のボリュームが多く、要件も複雑です。自己流で進めると採択率が下がってしまうことも珍しくありません。
当事務所では、数多くの補助金申請をサポートしてきた実績を活かし、事業計画の整理から申請書の作成、採択後のサポートまでワンストップで対応いたします。
「うちの事業は対象になるのか?」「どのくらいの補助金が受けられるのか?」といった疑問があれば、まずはお気軽にご相談ください。
