こんにちは。行政書士の樽見です。
第一種貨物利用運送事業は「登録制」です。
そのため制度上は、許可制のような裁量による不許可はありません。
※要件を満たせば基本的に登録ができるもの
しかし実務では、
- 登録されない
- 何度も差戻しになる
- 事実上、申請が前に進まない
といったケースが実際に多く発生しています。
この記事では、
第一種貨物利用運送事業で「通らない」と言われがちな実例をもとに、
なぜ登録されないのか、どうすれば防げるのかを解説します。
第一種は登録制でも「通らない」ことがある理由
第一種貨物利用運送事業は、
法令上の要件を満たしていれば登録される制度です。
ただし、次のような場合は、
- 要件を満たしていない
- 実態が第一種に該当しない
- 書類と説明が一致していない
として、登録されない・差戻しが続くことになります。
実務上、事業者が感じるのは
「不許可になった」という感覚に近いものです。
登録されない・差戻しになる代表的な事例
ここでは、実際に起こり得る不許可の事例を紹介します。
事例① 事業内容が曖昧で第一種に該当しない
申請書や事業計画書に、
- 配車なのか
- 取次なのか
- 物流管理なのか
が整理されていないケースです。
この場合、
単なる紹介業と区別がつかない、
あるいは
第二種に近い内容ではないか
という指摘を受けます。
結果として、
登録申請が止まることがあります。
事例② 実態は第二種に近い内容になっている
第一種は、
単一の輸送機関のみを利用する事業です。
しかし実際には、
- 複数の輸送機関を前提にしている
- 国際輸送や複合輸送を想定している
といった内容が事業計画に含まれていると、
第一種として登録できません。
そして第二種は第一種とは異なり審査要件も厳しく、登録ではなく許可制のため
より厳しい審査となります。準備不足で不許可になる、はザラにありますのでご注意ください。
事例③ 定款の事業目的が要件を満たしていない
法人申請で非常に多いのが、
定款の事業目的の不備です。
- 貨物利用運送事業の記載がない
- 表現が抽象的すぎる
- 将来事業と整合していない
この場合、
登録申請前に 定款変更が必要 となり、
申請が進みません。
事例④ 委託先・取引形態が整理されていない
第一種貨物利用運送事業では、
- 誰が運送するのか
- 誰が責任を負うのか
- どのような契約関係か
を明確に説明する必要があります。
運送委託契約の内容や説明が曖昧だと、
事業として成立していないと判断され、
差戻しになります。
事例⑤ 営業所の要件を満たしていない
営業所について、
- 実態がない
- 使用権限が確認できない
- 都市計画法上の要件を満たしていない
といった問題がある場合、
登録申請は進みません。
特に、
- 自宅を営業所にするケース
- 倉庫や簡易事務所を使うケース
などでは注意が必要です。
自宅を営業所にする場合は、前提として都市計画法上の用途地域の確認は勿論のこと
実際に営業所として使用するエリアの広さと自宅の総面積との割合も気にする必要があります。
事例⑥ 宣誓書と実態が一致していない
宣誓書は形式的な書類に見えますが、
他の書類・実態とセットで確認されます。
- 宣誓内容と事業計画が矛盾している
- 実態を確認していないまま宣誓している
この場合、
追加説明や修正を求められ、
差戻しが続く原因になります。
※ちなみに2026年現在では、宣誓書には一切の押印が不要となっております。
事例⑦ 欠格事由(法6条)の確認不足
第一種貨物利用運送事業では、
申請者や役員が
欠格事由に該当しないことが前提です。
- 過去の経歴を十分に確認していない
- 役員全員分の確認ができていない
後から問題が判明すると、
登録自体ができないケースもあります。
登録されない・差戻しを防ぐための考え方
第一種貨物利用運送事業では、
書類の量よりも「設計」が重要です。
次の点を事前に整理することで、
多くのトラブルは防げます。
- 本当に第一種で足りる事業内容か
- 定款・契約・事業計画が一致しているか
- 将来の事業展開を想定できているか
申請前の相談が重要な理由
登録制だからといって、
「とりあえず出せば通る」というものではありません。
実務では、
- 方向性のズレ
- 説明不足
- 設計ミス
が原因で、
時間だけが過ぎていくケースが多く見られます。
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第一種貨物利用運送事業では、
- 自分の事業が本当に第一種か
- 登録で進めて問題ないか
- 差戻しリスクがないか
を 申請前に確認すること が重要です。
少しでも不安がある場合は、
早めの段階で専門家に相談することをおすすめします。
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