こんにちは。行政書士の樽見です。
第一種貨物利用運送事業(登録)では、
営業所や保管場所について 「形式」よりも「実態」 が厳しく見られます。
実務上、
- 書類上は問題なさそう
- 住所も記載している
それでも、
- 差戻し
- 追加説明
- 修正指示
になる原因として、
営業所・保管場所に関する不備は非常に多いです。
この記事では、
第一種貨物利用運送事業において
営業所・保管場所が原因で登録が進まない代表的なNGケースを解説します。
そもそも第一種で営業所・保管場所はどう扱われるか
第一種貨物利用運送事業では、
- 自社で運送を行わない
- 車両を保有しない
という特性上、
保管場所は必須ではありません。
※保管場所は、利用運送において取り扱われる貨物を、申請者自身が所持または管理する場合の場所をいいます。
一方で、
- 営業所は必ず必要
- 事業の実態が確認できる拠点
であることが求められます。
この整理が曖昧なまま進めると、
差戻しにつながります。
営業所でNGになる代表的なケース
ケース① 実態のない「名ばかり営業所」
よくあるのが、
- バーチャルオフィス
- 郵便受けのみ
- 実際に業務を行わない場所
を営業所として申請しているケースです。
第一種貨物利用運送事業では、
事業運営の実態がある拠点であることが前提です。
- 書類作成
- 取引管理
- 連絡対応
などが行われない場所は、
営業所として認められません。
※実際は運輸局に営業所の図面の提出を求められることなどはありませんが、バーチャルオフィスなどはNGです。
ケース② 自宅を営業所にしているが条件を満たしていない
自宅を営業所とすること自体は可能ですが、
- 賃貸借契約で事業利用が禁止されている
- 管理規約で事業使用が認められていない
- 近隣との関係性に問題がある
といった場合、
使用権限や実態の説明ができずNGになります。
※自宅を営業所にする場合、自宅面積における営業所として使用する面積の割合も決まっているため、この点も運輸局に確認が必要です。
ケース③ 営業所の使用権限が確認できない
営業所については、
- 申請者が使用できる権利を有しているか
が必ず確認されます。
よくあるNGは、
- 名義が第三者
- 又貸しだが承諾書がない
- 契約書の内容と宣誓書が矛盾している
といったケースです。
賃貸物件で行う場合は大家さんの承諾をいただく必要がありますため、ご注意ください。
居住用物件をオフィスや営業所として使用することに抵抗のある大家さんもいらっしゃいます。
ケース④ 都市計画法上の要件を満たしていない
営業所として使用する場所が、
- 市街化調整区域
- 用途制限のある地域
に該当する場合、
事業利用ができないケースがあります。
特に、
- 倉庫
- 事務所兼作業場
として使用する場合は注意が必要です。
その市区町村の都市計画課に電話し、営業所の候補としている住所をお伝えして確認するのが確実です。
保管場所でNGになる代表的なケース
ケース⑤ 保管しない事業なのに保管場所を記載している
第一種では、
- 原則として保管は行わない
という整理が多いにもかかわらず、
- 不要な保管場所を記載している
- 実態と合わない説明をしている
ことで、
説明の整合性が取れなくなるケースがあります。
ケース⑥ 実際には一時保管が発生するのに説明していない
一方で、
- 実態として一時的に荷物を預かる
- 積替え・待機が発生する
にもかかわらず、
保管は行いません
と宣誓していると、
事業計画との不一致を指摘されます。
ケース⑤、⑥に共通して言えることですが、実態に合わせることが大切です。
ケース⑦ 保管場所の使用権限が曖昧
保管場所を設ける場合、
- 使用権限
- 場所の特定
- 営業所との関係
が整理されていないとNGです。
営業所と保管場所の役割が曖昧なままでは、
事業実態が確認できません。
営業所・保管場所で差戻しを防ぐ考え方
差戻しを防ぐためには、
- 営業所で何を行うのか
- 保管は本当に必要か
- 実態と書類が一致しているか
を 事前に整理すること が重要です。
「とりあえず書く」「後で考える」は、
ほぼ確実に差戻しにつながりますのでご注意ください。
第一種貨物利用運送事業のご相談はこちら
営業所・保管場所は、
- 事業計画
- 宣誓書
- 使用権限書類
すべてと連動します。
✓ 自宅を営業所にして問題ないか
✓ 保管場所を設けるべきか迷っている
✓ 差戻しリスクを減らしたい
このような場合は、
申請前の段階でのご相談をおすすめします。
