IT導入補助金2025【最新版】全部解説

こんにちは。行政書士の樽見です。
2025年1月末、ついに「IT導入補助金2025」のHPが立ち上がりました。
参考:https://it-shien.smrj.go.jp/

3月下旬から交付申請受付が開始となります。

本記事ではIT導入補助金2025の全体概要を解説いたします。
IT導入補助金の受給を検討されている方は、早めに動きだしましょう。

はじめに

IT導入補助金とは、業務の効率化やDXの推進セキュリティ対策に向けたITツール等の
導入費用を支援してもらえる補助金です。

近年、DX化(デジタルトランスフォーメーション)という言葉をよく聞きます。
要はデジタル技術(IT)によって、業務プロセスを改善し企業の競争力を高めることをいいます。

具体的には、クラウドツールの活用や、手動・目視で行っていた業務をシステム化により簡素化し、生産性を向上させるものです。ツールを入れてお客さんからの注文を自動で処理、納品書や送り状データも自動作成~といったツールなどもあったりしますね。

類型について

この補助金はいくつかの類型に分かれています。

目次

通常枠

ITツールを導⼊して、業務効率化やDXを推進するために使われる、一般的に類型です。

補助対象経費

●ソフトウェアソフトウェア購⼊費、クラウド利⽤料(最⼤2年分)
●導⼊関連費(オプション)機能拡張やデータ連携ツールの導⼊、セキュリティ対策実施に係る費⽤
●導⼊関連費(役務の提供)導⼊・活⽤コンサルティング、導⼊設定・マニュアル作成・導⼊研修、保守サポートに係る費⽤

ありがたいのはクラウドツールなどが最大で2年分補助されるということです。
例えば月に2万円のツールの場合、2年間(24か月)で48万円になりますが、この半分(1/2)の24万円が補助されるイメージです。※補助率1/2の場合

補助額

●ITツールの業務プロセスが1~3つ:補助額5万円〜150万円未満
●ITツールの業務プロセスが4つ以上︓補助額150万円〜450万円以下


以下の業務プロセス(項目)のうち、1~3つまでは5~150万円、4つ以上は150万円~450万円の補助額となります。

P-01 顧客対応・販売支援
P-02 決済・債権債務・資金回収
P-03 供給・在庫・物流
P-04 会計・財務・経営
P-05 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス・統合業務
P-06 業種固有プロセス

例えば、通販(EC)で物品の販売を行っている会社が、
販売サイト(Amazonや楽天市場など)からの注文をシステムに取り込んで、注文を一元管理し、且つ在庫管理も行う
といった目的のツールを選定した場合は、上記の「P-03 供給・在庫・物流」の1つの業務プロセスに該当し、補助額は「5~150万円」となります。

補助率

・中小企業は 1/2
・最低賃金近傍事業者は2/3

最低賃金近傍事業者とは、3か月以上にわたって地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員数が全従業員の30%以上であることを示した事業者をいいます。
 例えば、会社の所在する地域の最低賃金(時給)が1,000円として、その会社には10名の労働者がいるとします。
 この場合、3か月以上に渡り賃金(時給)が1,050円以下の労働者が3人以上いれば、「最低賃金近傍事業者」となります。(その結果補助率2/3となる)
 これが時給が1,051円以上であったり、1,050円以下の人数が2名以下だったりすると、「最低賃金近傍事業者」とはなりません。

複数社連携IT導入枠

複数の事業者が連携してITツール及びハードウェアを導⼊することにより、地域DXの実現や、⽣産性の向上を図る取組に対して、複数者へのITツールの導⼊等を⽀援するものです。
具体的には地域の商店街の集まりなどで事業者を10者以上として導入を進める場合です。
※10者以上が要件です

※実際は、大半の事業者の方には馴染みのない類型かもしれません。

補助対象経費

(1)基盤導⼊経費
●ITツール︓会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフトに限る 【クラウド利⽤料は最⼤2年分】
●ハードウェア︓PC・タブレット、レジ・券売機等

(2)消費動向等分析経費
●ITツール︓消費動向分析システム、経営分析システム、需要予測システム、電⼦地域通貨システム、キャッシュレスシステム、⽣体認証決済システム 等 【クラウド利⽤料は1年分】
●ハードウェア︓AIカメラ、ビーコン、デジタルサイネージ 等

(3)参画事業者のとりまとめに係る事務費、専⾨家費

補助率

(1)基盤導⼊経費︓1/2〜3/4、4/5(インボイス枠インボイス対応類型と同様)
(2)消費動向等分析経費︓2/3以内
(3)事務費、専⾨家費︓2/3以内補助上限額︓(1)と(2)をあわせて3,000万円、(3)は200万円

インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)

インボイス制度に対応したITツールの導⼊を強⼒に推進するため、会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフトの導⼊費⽤に加え、PC・タブレット、レジ・券売機等の導⼊費⽤を⽀援するものです。

インボイス対応類型(インボイス対応類型)

補助対象経費

(1)ソフトウェア、オプション、役務ソフトウェア購⼊費、クラウド利⽤料(最⼤2年分)、オプション(セキュリティソフト等)、役務費(導⼊⽀援費、保守費等)
※インボイス制度に対応し、「会計」・「受発注」・「決済」の機能を有するものに限る。

(2)ハードウェアソフトウェア・クラウドサービスの使⽤に資する機器(PC・タブレット、レジ・券売機等)の購⼊費⽤、設置費⽤

補助額、補助率

ITツール︓補助額50万円以下の部分は(補助率3/4以内、⼩規模事業者は4/5以内)、補助額50万円超〜350万円の部分は(補助率2/3以内)⇒導⼊するITツールが「会計」・「受発注」・「決済」の機能を2機能以上有する場合は、補助額350万円以下の申請が可能。(1機能の場合は、補助額50万円以下の申請が可能。)PC・タブレット等︓補助額10万円まで(補助率1/2以内)、レジ・券売機等︓補助額20万円まで(補助率1/2以内)

インボイス対応類型(電子取引類型) ※大企業も利用可能

取引関係における発注者が、インボイス制度対応のITツール(受発注ソフト)を導⼊し、当該取引関係における受注者である中⼩企業・⼩規模事業者等に対して無償でアカウントを供与して利⽤させる場合に、その導⼊費⽤を⽀援するものです。

補助対象経費

ITツールの導入費用(クラウド利⽤料最⼤2年分)

補助額、補助率

●補助額 350万円以下
● 補助率 中⼩企業・⼩規模事業者等が申請する場合:2/3以内⼤企業等が申請する場合:1/2以内

セキュリティ対策推進枠

中⼩企業・⼩規模事業者等において、サイバーインシデントを原因とした事業継続が困難となる等の⽣産性向上を阻害するリスクを低減するとともに、供給制約やそれに起因する価格⾼騰の潜在的リスクを低減するための⽀援を⾏う。
具体的には、「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービスのうち、IT導⼊⽀援事業者が提供し、かつ事務局に事前登録されたサービスを導⼊する際、サービス利⽤料(最⼤2年分)を⽀援する。

補助対象経費

ITツールの導入費用(クラウド利⽤料最⼤2年分)

補助額、補助率

●補助額 5万円〜150万円以下
●補助率 中⼩企業が申請する場合:1/2以内8⼩規模事業者が申請する場合︓2/3以内

申請までの流れ

それでは、具体的どういった手順でIT導入補助金を申請するのか説明します。
「申請フォームに必要事項を書いたら終わり」ではないので注意が必要です。

1 GビズIDの取得

初めての方は、GビズIDを取得しましょう。

GビズIDとは事業者のための「共通認証システム」です。
このGビズIDのアカウントを持っていれば、複数の行政サービスを利用できます。
近年、補助金も電子申請が主流となってきており、その電子申請の際に「GビズID」を使ってログイン・申請を行うというわけです。

アカウント発行まで2週間はかかりますので、早めに取得しておきましょう。

2 SECURITY ACTION宣言実施

事業者が自ら情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度で、「★一つ星」または「★★二つ星」を宣言することを要件としています。
交付申請作成時に宣言済アカウントIDの入力が必要となります。
⇒こちらのアカウントID発行までは2~3日ほどかかりますので、こちらも併せてご注意ください

3 業者選定・ツール選定

IT導入支援事業者と導入したいITツールを選定します。
ご自身の事業で現在システム化で改善したい部分はどこなのか?それをツール導入でどのように改善ができるのか?をしっかり見極めましょう。

4 交付申請 ※3月末から開始 IT業者と共同で要作成

ここまで終わると、ようやく交付申請が行えます。

流れは以下です。
 1 IT導入支援事業者から『申請マイページ』の招待を受け、代表者氏名等の申請者基本情報を入力する。
 2 交付申請に必要となる情報入力・書類添付を行う。
 3 IT導入支援事業者にて、導入するITツール情報、事業計画値を入力する。
 4 『申請マイページ』上で入力内容の最終確認後、申請に対する宣誓を行い事務局へ提出する。

※複数社連携IT導入枠は別のフローとなります(本記事では割愛)

5 交付決定

交付申請内容の審査が完了すると、交付決定通知がされます。通知を受けた申請者は補助事業者となり、補助事業を開始することができます。
補助金によくある「採択」という言葉はIT導入補助金では使われておりません。

※補助金は採択~交付決定がなされてから事業実施を行うようにしてください。
 交付決定前に行われた事業などは、補助金対象が外れてしまうので注意です。

いつから開始?

今後のスケジュールとしては、第一次交付申請受付開始日は2025年3月31日を予定しています。そこから
やく1~2か月間ほど公募期間があり、交付決定がなされます。

2025年2月18日追記:交付申請期間は2025年3月31日~5月12日となりました。
また交付決定日は6月18日予定です。

問合せはこちらから

IT導入補助金は事前にGビズIDの取得や、SECURITY ACTION宣言など対応しておくべきことがあります。
締切に間に合わない・・とならないためにも早めに動くことをお勧めします。
対象ツールについてはまだ発表がありませんが、3月頃までには発表となるでしょう。

申請にあたり、事前に準備した上で申請したい方は、弊所でも申請サポートを行っておりますので一度お問い合わせください。弊所は補助金申請サポートをメインとした行政書士事務所です。

問合せはこちらからどうぞ↓↓

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