こんにちは。行政書士の樽見です。
第一種貨物利用運送事業(登録)では、
必要書類を形式的に揃えるだけでは足りません。
実務上は、
✓ 書類自体は揃っているが、内容の整合性が取れていない
✓ 定款や事業内容と申請内容が噛み合っていない
✓ 実態が十分に説明できていない
といった理由で、
差戻しや追加資料の提出を求められるケースが多く見られます。
この記事では、
第一種貨物利用運送事業(登録)に必要な書類を、
法人・個人事業主それぞれについて、実務目線で解説します。
第一種貨物利用運送事業(登録)とは
第一種貨物利用運送事業とは、
単一の輸送機関(主に自動車)を利用して、
他の運送事業者に運送を委託する事業です。
✓ 自社ではトラック等の車両を保有しない
✓ 荷主と直接契約し、運送全体の管理責任を負う
✓ 実際の運送は他社の運送事業者が行う
このような形態の場合、
第一種貨物利用運送事業(登録)の対象となります。
第一種貨物利用運送事業に必要な書類の全体像
必要書類は、大きく分けて次の3つに整理できます。
✓ 申請者(法人・個人)の基本情報に関する書類
✓ 事業内容・運営体制を示す書類
✓ 営業所・事業実態に関する書類
それぞれについて、詳しく見ていきます。
【法人の場合】第一種貨物利用運送事業に必要な書類
申請者の基本情報に関する書類
法人で申請する場合、
まず法人の実在性や組織内容を確認するための書類が必要です。
✓ 履歴事項全部証明書
✓ 定款
✓ 役員名簿
✓ 役員の印鑑証明書
特に重要なのが 定款 です。
定款の事業目的に
「貨物利用運送事業」またはこれに準ずる内容が
適切に記載されていない場合、
登録を受けることができません。
▶ 定款の事業目的で失敗しがちなポイント
▶ 許認可を見据えた法人設立についてはこちら
【個人事業主の場合】第一種貨物利用運送事業に必要な書類
個人事業主の場合、
法人のような登記書類はありませんが、
本人確認や事業実態の説明がより重視されます。
申請者の基本情報に関する書類
✓ 住民票
✓ 身分証明書
✓ 印鑑証明書
個人事業主の場合は、
「どのような形で事業を行うのか」を
書類や説明資料で明確に示すことが重要です。
【法人・個人共通】事業内容・運営体制に関する書類
貨物利用運送事業計画書
事業計画書では、
✓ どのような貨物を
✓ どのような取引形態で
✓ どの範囲まで管理するのか
を具体的に説明します。
抽象的な記載ではなく、
実際の業務の流れがイメージできる内容が求められます。
利用運送の実施方法を示す書類
ここでは、
✓ 荷主との関係
✓ 委託先となる運送事業者との関係
✓ 自社の役割と責任範囲
を整理して示します。
「単なる紹介業ではないこと」
「運送全体の管理責任を負うこと」
が伝わる内容になっているかがポイントです。
委託先(運送事業者)に関する資料
✓ 委託予定の運送事業者の情報
✓ 想定される委託内容
✓ 契約形態が分かる資料
必ずしも契約書が完成している必要はありませんが、
事業として成立する関係性が説明できることが重要です。
営業所・事業実態に関する書類
営業所の所在地・使用権限を示す書類
✓ 営業所の所在地が分かる資料
✓ 賃貸借契約書または使用承諾書
営業所は、
名義上の住所ではなく 実態があること が求められます。
※営業所の図面までは求められないことがほとんどです。
使用権原を示す書類は、営業所に使う場所が賃貸物件など、他者の持ち物である場合に必要となり、
ご自身の物件の場合は不要です。
営業所以外に、商品等を保管する倉庫を申請者が持っている場合は、それらに関する図面、住所情報が必要です。
都市計画法との関係にも注意
営業所として使用する場所が、
都市計画法上の用途地域の制限に抵触していないかも
確認される場合があります。
特に、
✓ 自宅を営業所にする場合
✓ 倉庫・簡易事務所を使用する場合
は、事前の確認が重要です。
※営業所がある地域の都市計画課に問合せ、用途地域の確認を行っておくと安心です。
書類が揃っていても登録できないケース
第一種貨物利用運送事業(登録)では、
次のような点が原因で差戻しになることがあります。
✓ 定款と事業計画の内容が一致していない
✓ 実態は第二種に近い事業内容になっている
✓ 将来の事業展開が考慮されていない
このような場合、
申請前の設計段階に戻る必要が出てきます。
申請前に整理しておくべきポイント
登録申請をスムーズに進めるためには、
次の点を事前に整理しておくことが重要です。
✓ 第一種で本当に足りる事業内容か
✓ 法人・個人どちらで進めるべきか
✓ 将来の事業拡大をどう考えるか
これらを踏まえて書類を整えることで、
登録後のトラブルも防ぐことができます。
第一種貨物利用運送事業のご相談はこちら
第一種貨物利用運送事業(登録)は、
書類の量よりも、内容の整合性が重要です。
✓ 書類の書き方が分からない
✓ 自分の事業内容で問題ないか確認したい
✓ 法人設立と同時に進めたい
このような場合は、
申請前の段階で専門家に相談することをおすすめします。
